もしかしたら、檻の中にいるのは、向こう側のライオンではなく、こちら側の私たちなのではないだろうか?とつくづく思うのであります。

彼は言葉にするものを、全て絵に描いていた。 ただ『愛』という言葉だけは、いろいろな形が有りすぎて、彼の手はいつも止まってしまうのだった。

練習

ニコロン 「コポロンくん、上手に牛の乳しぼりできるねぇ!」 コポロン 「うん、いつもお風呂の時、ポポロンのパンツ下ろして練習しているんだ。」ニコロン 「…。」

はい!

ポポロン 「コポロンちゃん、なんでも元気に『はい!』って返事ができるといいんだよ。わかったかな?」コポロン 「うん!」ポポロン 「…。」

忘却

神様 「全てを忘れてしまいなさい。その忘れてしまったことさえ忘れなさい。おまえのことも忘れてしまったよ。」A「お、お加護を〜。」

半分

コポロン 「月が出ているよ。」ポポロン 「あっ、本当だ!コポロンくんのお弁当のキュウイフルーツみたいに半分だね。」コポロン 「あとの半分の月は誰か食べちゃったんだね?」ポポロン 「きっとそうだね。」

不変

全ては移ろい 変わりゆくことを知っているから 人は愛に 不変を求めるのだろう

大工事

延べ数百人が携わり、10年の歳月をかけた大工事がおこなれた結果、やっと彼女にえくぼができた。

またひとつ

お陰さまで、またひとつ増やせました。 皆様に感謝です。 新たな気持ちで進みます!

あめっこ

雨の一粒一粒に名前をつけて呼んでみたけれど、すぐに消えてしまうから、雨子1雨子2雨子3…と呼んでみることにした。 結局、雨の一粒一粒を数えてるみたいになっちゃったな。

エレベーター

25メートルの高さのあるビルの、25メートルの長さのあるエレベーターに、25メートルある彼が乗った。けれど、エレベーターも彼も動く必要はないよね?

さみしい

彼がいつも「さみしい、さみしい」って言っているから、あたい彼に「あなたはさみしい人ね。」って言ったのよ。そしたら彼、あたいに口聞いてくれなくなったの。あたい何かいけないこと言ったかしら?

うわべ

妻 「あなた友達いないのねぇ。」 夫 「うわべだけの友達なんていらないんだ。うわべなのは夫婦だけでいいんだよ。」 妻 「そうね。」

清掃中

地球の真ん中に『清掃中』の看板が掲げられた。 掃除が終わるまで、我々はしばらく地球を離れなければならないのだった。

赤い糸

何やら目の前に、赤い糸が落ちていた。これがよく耳にする運命の赤い糸というやつか?ちょっと引っ張ってみると、向こうも引っ張ってくる。負けてはいられない、こっちも引っ張り返してやる。くっ、向こうもなかなかやるな。だが、運命になんて負けてたまる…

ジャンケン

コポロン 「ポポロンはパーね。」ポポロン 「ヘラヘラヘラ〜。」ニコロン 「ある意味パーだけど…。」

ロケットパンチ

ずいぶん前に、敵を倒す為に炸裂させた左のロケットパンチ。敵にかわされて何処へ行ってしまったかわからなかったけれど、人差し指と中指を使って歩行しながら自力で私の所に帰って来た。五年ぶりに。驚いた。

心には、太陽を浮かべるのではなく、川を作ることにした。 乾くことはないし、嫌なことだってどこかへ流してしまえるわけだもの。

ある種族

目も耳も口もない僕らの種族は、嗅覚だけがお互いのコミュニケーションの手段だ。体中からは気持ちに合わせた様々な香りが出せるのだ。人々が集まるところではいろんな香りが混じって吐きそうになる。吐く口はないけれど。

音は 心のわだかまりを消し去るが それよりも先に 音そのものがすでに消え去ってしまっているのだ

5月5日

心の傷はおととしの 5月5日の生育クラゲ♪

軍手

軍手をはめている君は まるで天使のように微笑む 軍手を外した君の手は まるで悪魔のようなニオイがする

寝息

寝息は 寄せては返す波のよう 液体の夜も 静かにゆらめいて

チーズ

A「なんかチーズに無視され てる気がするんだよ。」B「それはさけてるチーズだ よ。」A「なんかチーズに怒鳴られ るんだよ。」B「それは切れてるチーズだ よ。」A「なんか笑顔のチーズがいるんだよ。」B「それはハイ、チーズだよ 。」 A「ふーん。」

ぬけ道

自分の進む道に、ぬけ道ばかり作って通っていたら、いつの間にか進む道よりもぬけ道の方がメインストリートになってしまった。しかしそんな道も、しばらく通らずにおいたら、知らぬ間に地下鉄が走っていて驚いた。

思ひ出

思ひ出を心の中で静かにゆっくりと醸造することを、「美化」と言うのだろう。

すべて同じ色や形で、間取りまで同じの家が集まる町に住んでいる。夜遅くに帰ってきてたまに家を間違えることがあるが、間違ったことに全く気が付かないことが多い。その町に住んでいる人々も皆同じ顔をしているから、家を間違えたのか、間違えてないのかわ…

だっこ

コポロン 「ポポロン、もう歩けないだっこ〜。」ポポロン 「よ〜し、家についたらだっこしてあげるね。それまで歩こうね。」コポロン 「は〜い。」

とおせんぼ

ポポロン 「おしっこ!おしっこ!」コポロン 「とおせんぼ、とおせんぼ!」ポポロン 「ニコロン、コポロンがひどいことする〜。」ニコロン 「ポポロン、コポロンをいじめんといて〜。」ポポロン 「ガクッ。」

冷蔵庫

君と会うときはいつも冷蔵庫の中だった。あのとき君は、クールな恋をしたいと言っていたね。