目を閉じれば

目を閉じればひとり静かな世界そんな時いつも耳をそばだてているあなたをそっと感じました

かなり

あまりにもそれは シンプルで身近すぎて なかなか気にされないのだが 誰にとっても かなり重要なことなのだ かなり

何さい?

傘をさしてお出かけした時のこと。途中で出会ったお花に、「何さい?」って聞いたら、お花は、「あじさい!」って答えてくれたんだよ。

座席

1日3回は、お腹の中の座席は満席となるけれど、毎回1つだけ座席を残してあるの。デザートさんのを。

長い階段の、最後の最上段に、小さな翼が置いてあった。 きっと君は、翼が無くても飛べるようになったんだね。 長い階段の最後の最上段に、小さな翼が置いてあった。 きっと君は、翼が無くても飛べるようになったんだね。

春は動詞だ。

キャベツ夫人

「オートクチュールで仕立てたキャベツ生地のドレス。パーティーの後、酔っ払ってキッチンに脱ぎ捨てておいたのがいけなかったのね。セバスチャンに、千切りにされていたわ。」

4月から

「コポロンくんは4月から年中さんになるんだね。ポポロンはね。年がら年中、中年さんなんだよ。」

雨男

部屋でまどろみながら 雨の降る音を聞いてるつもりでいたのに 実は自分が雨になって降っていたなんて 気付きもしなかった 君に言われるまで

ほっぺた

「ただいまぁ。あら、コポロンくん、ほっぺたがなくなっちゃっているよ。きっと晩ごはんにうんとおいしいものを食べて落としちゃったんだね?」コポロン 「母さんが作ってくれたんだぁ。ポポロンの分もとってあるよ!」ポポロン 「ありがとうね。」

コポロン 「この雪もってかえろうね。」 ポポロン 「家につく前に溶けてしまうかもしれないね。二人で雪合戦した思い出だけもってかえろうね。」コポロン 「うん!」

歩み

道は曲がっていたとしても 大き過ぎて 真っ直ぐにみえる 真っ直ぐに進むつもりでも 紆余曲折を歩んで行くんだな

たいくつ

たいくつを履いて お出かけしても ちっとも楽しくない

ラブレター

どこにいても読めるよう 青空に あなたへのラブレターを書こうと思ったけれど あいにく突然の雪 凍えそうだけれど せめて この真っ白な気持ちだけは 伝わるといいな

ブーメラン

この次 春が来たならばきっとあの人は帰ってくるわあたしのところにだっていつもそうだもの

宛名

彼女の長い長い宛名を書くだけで、いつも三時間かかってしまう。 これなら、彼女に会いに行って、直接想いを伝えた方がよかったかな。

忘却

忘却とは 己の存在を脅かす 闘うべき相手である 忘却とは 一生を添い遂げる 愛しい相手である

メルヘン

銀河を旅して、遥々メルヘンの星に辿り着いた。 あまりにも長い旅だったので、尿意を我慢しきれずトイレを探したのだけれど、全くどこにも見当たらなかった。 やっぱり、メルヘンの星なんだな。

まるで

砂の塔が 風に 静かにさらわれてゆくかのよう あなたに見つめられると ぼくは

扉を閉めておこう 自分さえも入れないように

ボタン

そのボタンを押せば いつでもあの人会える そのボタンを押せば 幸せだった あの頃にも行ける そのボタンを押せば 思い描く 未来にも行ける そのボタンを押せば 何回も 人生のやり直しができる そう そのボタンをあなたが 無事に押すことが できるのであれば

シャボン玉

僕らは、シャボン玉の泡の中で、暮らしている。 風が吹いたり、雨が降ったりで、いつこの泡が弾けてしまうのか心配で、ちっともメルヘンな気持ちになれないんだ。

ある場所で説明係をしている。ここを訪れるあらゆる人々に、同じことを一日に何万回と説明している。 時々様々な質問を受けることがあり、日々の退屈さを紛らわすことができていたが、やはり質問の内容もまた同じようなもので、退屈さの日々に埋もれてしまっ…

僕の顔は、見方によっていろんな人の顔に似ているらしい。だから、いろんな場所でいろんな人に声を掛けられるんだ。 僕のうんざりするこの気持ちを、いろんな人に伝えても、誰もわかってもらえない。

人間だもの

「人間だもの、失敗はつきものさ。」って励まされるたびに、とっても悲しい気持ちになるんだ。 みんなには気付かれてないけれど、一応僕は、高性能サイボーグなんだもの。

鼻毛を抜こうとしても抜けなくて、引っ張ると、どんどんどんどん伸びてくる。ちょうど手品で口から小さな国旗が次々出てくるみたいに、鼻毛はどんどん鼻の穴から伸びてくる。やっと長い鼻毛が抜けて、ふと気付くと頭の毛がなくなっていた。 どうやら人の毛と…

時計

「あいつ、時計のくせに、ちっとも時間を守らないんだ!」って、ボールペンが言ってた。 普段は先っちょ丸くて穏やかなのに、あれはかなり怒ってたな。

作風

ハニカミ屋のキャンバスちゃんは、画家の彼に見つめられて、いつも顔を真っ赤にしていたんだ。 その頃の彼の作風が、「赤の時代」と呼ばれているのは、そういう理由だったのさ。

眠れない夜は

眠れない夜は 公園の水たまり 風に吹かれながら 顔もカラダも 揺らめいて

人間とは よく喋る生き物だ ぼくは喋る代わりに 唄をうたうことにした