三十年ぶりの手紙

さよならも言わないで引っ越ししてきた三歳のぼく宛てに、 三十年ぶりに一通の手紙が届く。
ヒデキちゃんからだ。
三十年前と同じ内容だから、もうわかっているけれど、ぼくが引っ越をした後に、風邪をひいておなかをこわしたと書いてある。
今はもう悲しいくらいに大人になってしまっているこのぼくだけれど、あの時と同じ、何だか切ない気持ちになってしまっているのを思い出している。

コポロンくんと一緒にいると、無意識に自分が小さい頃の記憶を辿って、夢を見てしまうのかな。