出口のない箱
いたるところに
入り口だけがある
さまざまなものが
さまざまな所から
次々と
その中へと入ってゆく
まるで吸い寄せられるように
その箱
最初はほんの小さなものだったが
あらゆるものが入り込むたびに
次第に膨れ上がり
今ではまるで巨大な生き物のよう
耳をふさぎたくなるような
うなり声が聞こえるが
はちきれて壊れてしまいそうなその箱の悲痛の叫びなのか?
いやいや
中に閉じ込められたものたちの
永遠に辿り着くことのできない出口を求めて彷徨う
怒りの声なのか?
さぁ さぁ
シャイなお方もご遠慮なさらず
箱の中へどうぞ
お入りなシャイ