秘密の場所

みんなが知ってる秘密の場所。 その時点でもう秘密ではなくなってる。
みんなに知られてはないだろうと、一人一人みんながこっそり思っている秘密の場所。
もう秘密じゃなくなってるなら「秘密」という言葉はいらない気がするのだけれど、みんなに秘密と思われてることでやっぱりその場所は秘密であり続けるんだな。
その場所自身は、すっかり秘密に飽きてしまって、「おぉーい、ここにいるぞ〜!」って叫んでみたり、周りに「ご自由にお立ち寄り下さい」って看板を立ててはみるのだけれども、誰もその場所に改めて新しい名前をつけるわけでもなく、その場所に何ら際立った特徴があるわけでもなく、結局は「秘密」以外何ものでない場所でしかないのだった。